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うれし野ラボ連携 三重大学医学系研究科 西村教授の「美容と健康コラム」

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西村訓弘教授プロフィール

民間研究所、米国企業、大手外資系製薬企業の研究員などを経て、遺伝子解析技術の研究・開発に携わり、大学発バイオベンチャー企業の立ち上げに寄与。同ベンチャー企業の代表取締役社長を経た後、三重大学医学部特命教授を務め、2005年から同大学大学院医学系研究科教授となる。

<新シリーズ>

三重大学西村教授の「世界を旅する美と健康」

Vol.01

フランスの食事情と日本食

 

「フランスでは最近、空前の日本食ブームです。」

 

20103月にフランスを訪問した際の日系商社のフランス駐在員の方からの説明でした。

日本貿易振興機構(JETRO)の調査では1980年代には50軒程度であった日本食レストランが約1000軒になっており、そのうちの700軒がパリ市内を含む近郊にあるそうです。ただ、約1割のみが日本人による経営だそうで、日本語が通じない店で寿司をテイクアウトしてホテルで食べましたが、味は残念な内容でした。

 

なぜ、日本食がフランスで普及し始めたのか?理由の一つに日本食が持つ健康へのイメージの良さが考えられます。健康への関心の高さはパリの街を歩いていると目につく健康食品を取り扱う店の多さからもうかがい知れます。

ただ、それだけでしょうか?凱旋門に向かってシャンゼリゼ通りを歩いていた時、数百人の若い人達が列を作って何かを待っているのに会いました。それとなく見てみると日本製ゲームソフトの最新版販売のカウントダウンを待っているのです。フランスでは日本アニメブームだと聞いたことがありますが、アニメ、ゲームソフトなどジャパンポップはフランスの若者を確実に引き付けているようです。日本文化がフランス人に広く普及した結果として、日本食レストランが増えてきたのかもしれません。

 

話は変わりますが、フランスでは豆は塩味で煮ると決まっているようで、豆を甘く煮ることはご法度だと聞いたことがあります。天の邪鬼の私は、それではと三重県の和菓子メーカー製の甘くておいしい「小豆餡」をお土産として持参しました。

パスツール研究所を訪問した時に遊び心で10個程度を皆さんでどうぞと渡してきましたが、後で聞いた話では、日本からの土産ということで奪い合うようになくなったとのことです。

 

「甘く煮た豆」も「日本食」というカテゴリーに入れば、今のパリの人達には許容されるようです。また、ワインで有名なブルゴーニュ地方にある食品科学系の大学教授と話をしていた時に、自分は今「UMAMI」を研究していると言っていました。

「UMAMI」とは日本語の「旨味」のことです。日本食の特徴である「旨味」が食においしさの幅を広げる可能性があるとフランス人は考え始めているようです。

 

話を戻しますと、今、フランスで起こっている日本食ブームは、「健康に良いから」などの特別の理由ではなく、「美味しい食」としてフランス人が日本食を認知したことが実は一番の要因かもしれません。

パリで立ち寄ったオシャレなお菓子店で店員と話した時のことですが、「この店はパリの中に何軒あるの?」と聞いたところ、「2軒だけ。」との返事でした。その後、間髪を置かず、「パリには2軒だけど、日本の銀座にも支店がある。」と自慢げに話していました。

日本人はパリから来た店という響きだけで、ありがたく高い値段で買い求めますが、実はパリで無名のお店でも日本に挑戦して成功することもあるということだと思います。

 

日本人は自分達の文化にもっと自信を持って、「本当に美味しい日本食(素材)はこれだ。」とパリで堂々と商売をする時期が来ているようです。

「美し国三重から世界のパリへ!」こんな商売も面白いのではと帰路の飛行機の中で考えました。

 

 
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